健常例における下半身陰圧負荷時の左右両心への静脈還流量の低下は，両心室流入血流速波形における拡張早期波のピーク速度の低下と拡張早期波前期容量の減少，肺静脈および上大静脈血流速波形の収縮期第２波のピーク速度および容量の低下を招来し，以上の結果はこれら各波の成因に関して重要な手がかりになると思われた．

Hironori Murakami, MD, PhD, Harutatsu Muto, MD, Yosikazu Asano, MD, Kenjiro Miyamoto, MD,
Yasuhiro Omoto, MD, Yasukazu Yamaguchi, MD, PhD, Mitsugu Hirokami, MD, Nagisa Hanawa, MD
and Shigemichi Tanaka, MD, PhD

Tomohiko Toyoda, MD , Masao Daimon, MD, PhD , Rei Hasegawa, MD, PhD, Kiyomi Teramoto, MD , Tai Sekine, MD, Takayuki Kawata, MD , Katsuya Yoshida, MD, PhD, Kiyoshi Yoshida, MD, PhD , Issei Komuro, MD, PhD

Atsushi Kotani.RMS, Yutaka Hirano.MD, Hajime Nakamura.MD, Yumiko Tsuji.RMS, Shouchi Naitoh,
Toshinori Kamisako.MD, and Kinji Ishikawa, MD

症例は 60歳の女性．骨髄異型性症候群で頻回輸血によるヘモクロマトーシスと診断された．左室短軸断面において心内膜に比し心外膜側のstrainが低下していることが確認された．本例の心筋鉄沈着病変は心外膜側から進展すると言われており，この病態を反映していると思われた．

心筋コントラストエコー法による心筋内微小循環流入血流の評価
心筋コントラストエコー法を用いて心筋流入血流を拡張期と収縮期に分けて検討し、微小循環レベルでの心周期変動を検討した。バーストの終了時相を収縮末期と拡張末期に設定して観察すると拡張期には点状の染影が徐々に見られたが、収縮期には輝度上昇はほとんど見られなかった。心筋微小循環レベルでも、拡張期優位の流れが生じていることが示された。

Tissue-Tracking 法で評価した僧帽弁輪移動度による新しい心不全重症度分類
目的： Tissue-tracking 法で測定した僧帽弁輪移動度（ MAD ）が心不全重症度評価に有用であるかを検討した。方法： MAD at peak point と MAD at aortic valve closure との比（ P/A 比）を計測し、 A (MAD →、 P/A 比→ ) 、 B (MAD ↓、 P/A 比→ ) 、 C (MAD ↓、 P/A 比↑ ) に分類し、心不全重症度との相関を検討した。結果： NYHA class 及び LVEF は各群間で有意に異なり、 A → C に連れて心不全重症度の増加を認めた。結論： MAD 及び P ／ A 比による新しい分類は心不全重症度分類として有用である。